読書記録:心淋し川 西條奈加
読書記録:ははのれんあい 窪美澄
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家族はかたちを変えることがある
縫製を家業としている智久と結婚した由紀子は、金銭的に余裕はないが、長男の智晴と双子の結人と寛人を授かり、あわただしくも幸せな日々を送っていた。そんな日々は夫の実家が家業をたたむことになり智久がタクシー運転手として再就職をした後から崩れていく。
智久の稼ぎだけでは生活が苦しいため駅の売店でパートをして働き始めた由紀子は、戸惑いながらも次第に仕事を覚え、正社員となった。一方、智久は仕事になじめず、飲み屋で知り合った女性に心を許していく。
智久と由紀子は離婚し、子供たちは由紀子に引きとられたが、智久は同じ町で再婚し新しい家庭を持っていた。智晴は父に対し複雑な感情を抱きつつ、双子の弟たちや、幼馴染との恋愛に悩み葛藤していく。
タイトルから由紀子の恋愛を主軸にした物語かと思っていたけれど、離婚や再婚、死別によって変わっていく家族を前半は由紀子の目線から、後半は智晴の目線から描いた物語だった。
智久がダメ男にしか見えなかったのはいい父親描写が少なかったからかな。双子がなんであんなに父親好きなのか共感できなかった。
とにかく智晴が健気で(まさにヤングケアラーって感じ)、たくさん勉強して、もっと大きな世界で生きていってほしいと思うラストだった。