読書記録、時々つぶやき

東京都在住、5歳と2歳の女の子を育てながら看護師をしています。

読書記録:十角館の殺人 綾辻行人

 

あの一文で物語のすべてが一変する。これから読む人には全く情報のない状態で読んでほしい。記憶をなくすことがあったとしたらまたこの物語に出会い、あの驚きを体験したい。私の読書体験の中でも衝撃的だった一冊。

 

 

推理小説(中でもクローズドサークル)が好きな人の中では有名だと思う新本格派を代表する一作。

綾辻行人さんのデビュー作で、館シリーズの第一作目。
アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品としてあまりにも有名なために、作品を読む前に前情報が多い作品だが、これから手に取るかたはなにも情報を持たずに読んでほしい。

 

 

 


舞台は、船でしか本土と行き来ができない、無人島角島にたつ、十角館。
からくり屋敷を設計すると有名だった中村青司が自ら設計し住んでいた館、そしてその青司自身が当時館にいた妻や使用人とともに殺されたと有名な館。

その館を大学のミステリー研究会の7人が訪れるところから物語ははじまる。
ミステリー好きな学生たちの気楽な遊び半分の旅行だったはずが、翌日の朝、「そして誰もいなくなった」を再現するようなプレートが館になにものかによっておかれたことにより、7人の間に不穏な空気がながれ始める。

本土では、学生たちの友人である2人と、中村青司の弟に、死んだはずの中村青司から、告発状が届く。

やがて、7人の学生たちを襲う連続殺人。
犯人は誰なのか。

すべてはあの一文で明かされる。

 

 

 


初めて読んだのは今から10年前。
はじめて読んだ時の衝撃は忘れられない。
それまで、ライトノベルや恋愛小説を中心に読んでいた私が、推理小説にはまったきっかけをくれた一冊。
結末はわかっていてもいまだに読み返したくなる。
また結末を知らない状態で読みたいと願ってやまない一冊。