読書記録:この女 森絵都
「この女」の生い立ちを小説にする男を目線で描かれる物語。様々な理由により、社会から少し外れて生きている人々も力強く生きている。
釜ヶ崎のドヤ街で日雇い労働者をしていた礼司は、以前世話をした大学生大輔の紹介で、大手ホテルチェーンの二谷の妻「結子」の生い立ちや人生についての小説をかくことになる。
結子に話を聞こうするが、結子は気分屋で毎日毎日いうことが変わっていき、礼司は振り回される。
結子と過ごす中で、礼司は結子の過去をしり、心通わせていく。
久しぶりに、手に取った森絵都さんの小説。
結子の今まで生きて生きた人生が礼司とつながり、現在の釜ヶ崎の抱える問題にもつながっていくところが面白かった。
推理小説とはまた違うけど、先が気になってしまってどんどんページが進んでいった。
ラストはとりあえずハッピーエンドだったのかなと思ったけど、冒頭からのつながりを考えると、違うのかな。
読者の想像におまかせな部分もあったのかな。
途中が面白かっただけに最後がふわっと終わってしまって私的には物足りなかった。よく言えば余韻が残るというのかな。
いままで読んだ森さんの作品とはひと味違った作風でした。